2016年度のアルバム私的Best10

2016年度のアルバム私的Best10

はじめに

年末恒例、ということで。
とりあえず2015年12月~2016年11月の間にリリースされたアルバムから、独断と偏見で2016年度のベスト10を挙げておきます。
なお、私の〈Best10選出〉は、1996年に地元のレコード屋さんからの依頼で、同店舗が発行していたフリーペーパーに寄稿したものから始まっておりまして、一昨年に1度中断しましたが、20年もBest10を選び続けてきたということになります。いやはや恐ろしい。
最後に。コメントは覚え書き程度のものなので、お手柔らかにお願いします。

なお、2015年度のものはこちらです。

洋楽新譜部門

1位 ボブ・ディラン『Fallen Angels』
2位 ローリング・ストーンズ『Havana Moon』
3位 ウィリー・ネルソン『Summertime: Willie Nelson Sings Gershwin』
4位 マッドクラッチ『2』
5位 ジム・クゥエスキン&ジェフ・マルダー『Penny’s Farm』
6位 ボニー・レイット『Dig In Deep』
7位 チープ・トリック『Bang Zoom Crazy, Hello』
8位 バーブラ・ストライサンド『ENCORE: Movie Partners』
9位 ニール・ヤング『Earth』
10位 ジェフ・ベック『Loud Hailer』
10位 WILCO『Schmilco』
次点 モンキーズ『Good Times!』

コメント

今年の洋楽関係において最もインパクトのあったニュース/事件は、パンチ・ブラザーズの来日と、そしてボブ・ディランのノーベル賞受賞であろう。ソシャゲ会社が主催したクラシック・ロック・アワードの惨劇なんてものもあったが。 というわけではないが、ディランによるポピュラー・ソングのカヴァー集が一位。アメリカのポピュラー音楽史へのまなざしも評価のポイントだが、何より最小限のコンボ・スタイルによるアレンジの妙を高く評価したい。

ストーンズの2位はBlu-rayがとにかく熱かった。バンドの素晴らしさというものがこれでもかと詰まったアイテムだ。

なお、3位のウィリー・ネルソンは、他にもレイ・プライスへのトリビュート・アルバムも出しており、それも良かった。
5位はジャケットからして名盤。バーブラのデュエット盤はミュージカル好きとしても嬉しかった。

洋楽再発・発掘部門

1位 ボブ・ディラン『The 1966 Live Recordings』
2位 ローリング・ストーンズ『Totally Stripped』
3位 エルヴィス・プレスリー『Way Down In The Jungle』
4位 ローリング・ストーンズ『The Rolling Stones In MONO』
5位 ビーチ・ボーイズ『50th Anniversary Deluxe Edition』
6位 VA『Sherman Brothers Songbook』
7位 ヴァン・モリソン『It’s Too Late to Stop Now: Volumes II, III, IV』
8位 VA『Mose Allison:I’m Not Talkin’~The Song Stylings Of 1957-1971』
9位 VA『Scratch My Back! Pye Beat Girl』
10位 レスリー・ゴーア『Boys, Boys, Boys』
次点 ジョディ・レイノルズ『The Complete Demon & Titan Masters』

コメント

1位は文句なし。ブートとかでおなじみの音源も多いが、正規盤で出たこと、しかも今年出たという事実に何かしらの運命的なものを感じた。2~5位はお約束。
6位は「小さな世界」や『メリー・ポピンズ』『ジャングル・ブック』などの音楽の作曲者として知られるシャーマン兄弟の作品集。東京ディズニーランドにかつてあった「ミート・ザ・ワールド」の音楽も収録されており、ポイントは高い。こういう作品集を待っていた。
8位はタイミング的に絶妙。今年は訃報が相次ぎ、悲しい年であった。
なお、ランキングには入れなかったが、パイドパイパーハウス企画の一環として再発されたフル・ムーン『Full Moon』も嬉しかった。渋谷タワーレコード5階に期間限定で復活したパイドはいろいろな企画を仕掛けているが、パイドのサントラともいえる『ベスト・オブ・パイド・パイパー・デイズ』も素晴らしい内容であった。

邦楽部門

1位 大滝詠一『DEBUT AGAIN』
2位 METAFIVE『META』
3位 ハルメンズX『35世紀』
4位 小坂忠『Chu Kosaka Covers』
5位 菊田裕樹with佐々木秀尚『ANGELICFORTRESS -DOUBLE HELIX-』
6位 星野源『Yellow Dancer』
7位 ラーナーズ『LEARNERS』
8位 METAFIVE『METAHALF』
9位 スペシャル・フェイバリット・ミュージック『World’s Magic』
10位 ロンサム・ストリングス『ロンサム・ストリングスの映画音楽』
10位 菊田裕樹with佐々木秀尚『ANGELICFORTRESS』

コメント

METAFIVE、走り続けたなあという一年。

3位の小坂忠のカヴァー集も染みた。
ハルメンズXは、「ブルー海岸」で鳴っている音に驚いた。当時の音になってるじゃないの! どの曲も80年代の感触があって、こういうサウンドメイクが今ちゃんと聴けるという意味でも高く評価したい。

菊田さんが冬コミ、夏コミで出したプログレなアルバム2枚も良かった。佐々木さんのギターはめっちゃフレーズを詰め込んでいるし、終始2人ともテンション高いし、聴いていてめっちゃアガった。

なお、邦楽再発部門ということでいえば、ピチカート・ファイヴ『ベリッシマ!』がダントツで良かった。「惑星」のドラム音だけで興奮した。