2021年度のアルバム私的Best10

2021年度のアルバム私的Best10

はじめに

年末恒例、ということで。

とりあえず2020年12月~2021年11月の間にリリースされたアルバムから、独断と偏見で2021年度のベスト10を挙げておきます。

なお、私の〈Best10選出〉は、今年で25年目を迎えました。1996年に、地元のレコード屋さんからの依頼で、同店舗が発行していたフリーペーパーに寄稿したものが最初です。6年前に1度中断しましたが、25年もBest10を選び続けてきたということになります。いやはや恐ろしい。
今年は、私自身、大きな環境の変化もありまして、音楽の聴き方が微妙に変わっております。秋からはウォークマンで音楽を聴くことが増えています。
それはさておき。コメントは覚え書き程度のものなので、お手柔らかにお願いします。
なお、2020年度のものはこちら。

洋楽新譜部門

1位 ジョン・ハイアット・ウィズ・ザ・ジェリー・ダグラス・バンド
   『LEFTOVER FEELINGS』
2位 マリア・マルダー&チューバ・スキニー『Let’s Get Happy Together』
3位 ブライアン・ウィルソン『At My Piano』
4位 トニー・ベネット&レディ・ガガ『Love For Sale』
5位 ディオン『Stomping Ground』
6位 ロバート・プラント&アリソン・クラウス『Raise The Roof』
7位 ウィリー・ネルソン『That’s Life』
8位 チープ・トリック『In Another World』
9位 ウィーザー『VAN WEEZER』
10位 ポール・キャラック『One on One』
次点 ジョン・セバスチャン&アーレン・ロス
   『Explore the Spoonful Songbook』

コメント

1位はジョン・ハイアットとジェリー・ダグラス・バンド。アメリカ音楽好き、特にルーツ音楽好きとしてはたまらない1枚でした。ドラムレスなんだけど、すんごいグルーヴィー。ジョン・ハイアットのヴォーカルとジェリー・ダグラスのリゾネイター・ギターの相性がたまらんです。

2位はマリア・マルダー。こちらもルーツ音楽。ニューオーリンズのジャズとマリア・マルダーのグッド・タイミーな感覚が合わさった、最高にご機嫌な音楽です。

ブライアンの作曲に関しての謎が解けたとあちこちで評判の3位、ブルージーなディオンの5位、ウィリー・ネルソンによるガーシュウィンのカヴァー集である7位なども良かったが、やはり4位。トニー・ベネットの歌もグッとくるけど、トニーをエスコートするレディ・ガガがとにかくかっこいい。

パワーポップものの2枚、つまりチープ・トリックの新譜、ヴァン・ヘイレンへのリスペクトが溢れつつもウィーザー節が溢れるウィーザーの新譜はともにたまらなかった。

パワー・ポップついでにいえば、ティーンエイジ・ファンクラブの新譜も良かったっすね。

あと、グッド・タイミーな音楽が好きな人には、次点のジョン・セバスチャン&アーレン・ロスもおすすめ。


洋楽再発部門

1位 ブルース・スプリングスティーン&ザ・Eストリート・バンド
   『The Legendary 1979 NO NUKES Conserts』
2位 ボブ・ディラン
   『Springtime In New York : The Bootleg Series Vol.16』
3位 エルヴィス・プレスリー『Back in Nashville』
4位 ローリング・ストーンズ『Tattoo You (2021 Remaster)』
5位 ビーチ・ボーイズ『Feel Flows』
6位 ザ・バンド『Stage Fright』
7位 ローリング・ストーンズ
   『A Bigger Bang : Live on Copacabana Beach』
8位 ザ・ビートルズ『Let It Be : Special Edition』
9位 ブラック・クロウズ『Shake Your Money Maker 』
10位 ジョージア・サテライツ『Ultimate Georgia Satellites』
次点 VA『Rockets Of Love!』

コメント

1位はもう文句なし。まさか『NO NUKES』でのボスのライヴを公式でちゃんと観る日が来るとは思わなかった。全盛期のボスとEストリート・バンドって、こんなにすごかったんだと、心底驚いた。PRIDEで10連勝した頃の五味隆典みたい。これぞ伝説。これぞ火の玉。ロックンロールの究極だと思うよ、マジで

2位は別の意味で驚いたBOX。僕はこれまで、80年代のディランを次のように捉えてきた。キリスト三部作を経て迷走して、トム・ペティ&ハートブレイカーズとの双頭ツアー、ウィルベリーズがあって、ボノから紹介される形でダニエル・ラノワと組んで傑作『オー・マーシー』へ……というストーリー。そこに当てはめすぎていた。トム・ペティとウィルベリーズ、そして『オー・マーシー』に重きを置いているがゆえの見方なんだなと。それらがターニング・ポイントとなったのは事実だけど、ディランの80年代の半分ほどを不必要にばっさり斬り捨ててしまっているなと反省した。それぐらい、このBOXで聴ける80年代前半のディランはクリエイティヴだ。収録曲、そのまま新譜として出せるぐらい。僕らが聴きたいディランがそのまま入っている。

エルヴィスが1971年にナッシュビルで行ったセッションをまとめた3位もよかった。宗教歌やクリスマス・ソング、カントリーを、自分に歌い聴かせるように歌うエルヴィスにシビれた。

ビーチ・ボーイズの2枚『サンフラワー』と『サーフズ・アップ』のセッション音源をまとめたBOXである5位は、未発表音源の雨あられで、トゥーマッチ。ブートでも聴いたことない音源が多すぎるんだもの。まだまだ頭の中で整理が追いついていない。
6位は音圧すごすぎでびびった。9位と10位は、BOXがちゃんと出てくれたことに感動。次点で紹介したのは英Aceのパワー・ポップ・コンピ。ヴァンダリアスの「Sky High」カヴァーも入っていたりして、パワー・ポップ好きにはたまらない1枚っす。

そして、4位と7位のストーンズ……。チャーリー・ワッツが亡くなったことには、大きくショックを受けた。ロックって、いつか終わりが来るんだと。僕にとっての、ロックンロールが死んだ日とでもいうか。ショックを癒すように、毎日ストーンズの音源をなにかしら聴いたが、特筆したいのが7位。デラックス盤にのみ収録されたソルトレーク公演が中でも熱かった。なんといっても。「ラフ・ジャスティス」! この1曲のためだけにデラックス盤を買うべきだ。90年代は「You Got Me Rocking」、00年代は「Rough Justice」、10年代は「Doom And Gloom」とライヴ映えする曲をちゃんと産み出してきた彼らは、00年代にもすさまじくライヴ映えする曲を生んでいたんだなと再認識させられた。ストーンズ好きの頭の中にある「好きなストーンズ」が全部、この「Rough Justice」には詰まっている! キースもミックもロニーもチャーリーもチャックもダリルもテンション高っ!


邦楽部門

1位  『 』
2位 The Birthday『サンバースト』
3位 山下達郎『ARTISAN』
4位 砂原良徳『LOVEBEAT 2021 Optimized Re-Master』
5位 Cornelius「変わる消える (feat. mei ehara)」
6位 BEYOOOOONDS「激辛LOVE/ワタシと踊りなさい!」
7位 SKYE『SKYE』
8位 『東京ディズニーシー20周年:
    タイム・トゥ・シャイン!ミュージック・アルバム』
9位 『東京ディズニーランド ベイマックスのハッピーライド』
10位 『東京ディズニーランド ミッキーのマジカルミュージックワールド』
次点 Juice=Juice「DOWN TOWN」

コメント

1位のアルバムだが、なぜか今年リリースされなかった。僕らの仲間にはアーティスト名もタイトルも見えているだろう。音楽は「音楽を政治に利用した奴ら」に奪われてしまった。

3位、4位はリマスターで音の良さに震えた。リリース当時も音の良さにそれぞれぶっとんだものだが、リマスターの音の良さよ。耳が気持ちよかった。

松浦雄太さんが楽曲提供したBEYOOOOONDS「ワタシと踊りなさい!」は最高。ディズニー好きなら、くすっとしてしまうような大ネタも使っていて、大好き。Juice=Juiceの「DOWN TOWN」カヴァーも良かった。

まあ、僕が一番聴いたのは8位から10位か。「タイム・トゥ・シャイン」、マジでいい曲っすね。

あと、今さら言うまででもないことだが。なにわ男子の「初恋LOVE」が正統派なアイドル・ポップスで、キュンとしちゃう。